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 『京都府 M.T様の靴』

 今回のお客様は女性の華道家さんです。
 以前、書かせていただいた「ソウギョバスターズ」の活動で
 M.T様と出会いました。
 足に合う靴がなくて困っていると聞き、
 しかし、当時の自分では何もできず歯がゆい思いでした。
 いつか自分が作った靴でM.T様の足を楽にしてあげたい…
 そんな思いがいよいよ現実に。
 さあ、自分にとっての挑戦です。m.t-01
 M.T様は特徴の強い足でしたので、
 木型の制作には苦労しました。
 既成品で足に合う靴がないおっしゃるのも確かにうなずける。
 親指の付け根と小指の付け根にストレスを感じやすいという
 特徴があるため骨格に沿った形状で木型を制作していく。
 くるぶしの位置は比較的低いため、
 当たりがでないラインを何度も検討する。
 仮履きを通して、M.T様から足入れの感覚を共有する。
 木型、パターンを修正し、
 M.T様の足にとって快適な靴へ近づけていきました。
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 いまの自分のできるかぎりを出して
 M.T様の靴を制作できたと思っています。
 何もできなかったあの頃の自分から一歩進めた気がします。
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 今回のコバはヤハズ仕上げ。
 本来の底の厚さよりコバを薄く、華奢に見せることができる。
 昔、日本の職人が生み出した日本独自の技術だ。
 熟練職人さんから当時の話をよく聞いたが、
 話を聞けば聞くほどその時代を生きてみたかったなぁと思う。
 1950年から1964年。
 最も盛り上がっていた手製靴職人の時代。
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 戦後から1950年に皮革統制が解かれ靴産業は復興する。
 この頃、軍靴から庶民が履く靴が主役となっていく。
 「製靴コンクール」という手製靴職人による
 技術を競い合う大会も開かれ、
 日本の職人の技術向上に拍車をかけたそうだ。
 当時のコンクールで金賞をとった靴を見る機会があったが、
 軽やかな、それは美しい靴だった。
 様々な手製靴工場を回って、腕一本で生きる
 流れの職人などもいたと聞く。
 高度経済成長により靴の機械化が始まり、
 手製靴は衰退していくことになるのだが…。
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 靴産業自体が最も活気があった時代。
 もし可能ならこの時代をちらりと覗いて来たいといつも思う。
 ものすごく勉強になると思うので、
 しばらく帰ってこないかもしれない(笑)
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 それから40年の時を経て、手製靴の文化が蘇ることになる。
 ご存知の通り、私達の先輩方が道をつくり、
 それに刺激を受けた私達がこうして手製靴を仕事にしている。
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 今回の撮影は大沢池。
 M.T様と出会った場所。
 この靴が初めて地面を踏みしめる場所をと思ったとき、
 「ソウギョバスターズ」の活動を経て、
 共に修復してきたこの大地をまよわず選んだ。
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 つぎにM.T様が靴を頼んでいただけたときに
 もっとできることがあるように、
 もっと技術を学びたいと思う。
 ひとつ前の自分に、
 常に挑戦していきたいと思ってます。
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