今回紹介する制作は革足袋です。

とても特殊な足袋です。

狂言に「釣狐」という演目がありまして、

そのときは通常の狂言足袋ではなく

この狐色をした革足袋を使います。

約五十年間使っていた革足袋が老朽化し、新調したいけれども、

以前作ってもらった職人はもういないので、

当工房で再現してくれないかということでした。

もちろんこれまで革足袋なんて作ったこともない。

難しい仕事ですが、

やりがいのある内容に気合いが入ったのを思い出します。

昔の革足袋を実際に見せていただいて、

作り方を研究しました。

これが実にしっかりとした作りで、

50年前の仕事に感動したのを覚えています。

自分も次の50年に繋いでいける仕事をしないといけないなぁと思いました。

実は昨年に最初の釣狐用の革足袋を制作していて、

今回掲載しているのは2足目の革足袋です。

1足目のときには分からなかったこと、

改善するべきところを踏まえ、制作に取り組みました。

素材はキョンと呼ばれる鹿の革を使っています。

非常に柔らかくきめが細かいのが特徴です。

鹿革は水に濡れても硬化しないので、革足袋には最適の素材ですね。

そんな鹿革を燻すことで狐の色を出しています。

1足目のときはこの燻し加工が分からず、

染めで狐色を出そうとしました。

昔の革足袋では染めではなく、

燻しで狐色を出していたのではないかという革屋さんのアドバイスにより、

釣狐の革足袋における、正式な狐色を再現することができました。

コハゼの止め紐も狐色に合わせて染めています。

一見するとただの革足袋ですが、

細かいところにいろいろな仕事をちりばめています。

長く、役者の足元を支える道具となるように。

そしてまた50年後、

別の職人が次の革足袋を制作する際、

この革足袋を見て何かを感じてもらえる仕事となりますように。

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