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 『京都府 A.M様の靴』

 お客様は大学の教授をされています。
 私が京都に戻り、A.M様に独立の挨拶をしたときに
 うれしい言葉をいただきました。
 「帰ってきた君が作る最初の靴をオーダーしたい。」
 私にとって生涯忘れられない言葉になるだろう。

 A.M様との出会いについて少し話したいと思う。

 出会ったのは学生時代。
 私がまだ建築を勉強していた頃の話…。
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 A.M様は私が通っていた大学の先生というわけではなかった。
 ゼミの先生からの紹介で関わった活動で出会うことになる。

 『2001年 大覚寺大沢池ソウギョバスターズ』

 ここでソウギョバスターズについてごく簡単に説明しておく。
 当時、大沢池は激しい水漏れに悩まされていた。
 十数年前、池に繁茂する水草を除去するために
 ソウギョ(主に草を食性とする魚)が池に放たれる。
 ソウギョは一年で全ての水草を食べ尽くし、
 池の杭まで食べ始める。
 結果、大沢池の激しい水漏れ、水質の悪化
 という問題を引き起こしてしまう。
 大沢池、大覚寺の景観を修復するためA.M氏が立ち上がり、
 2001年に大覚寺大沢池ソウギョバスターズを結成する。
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 私は幸運にもソウギョバスターズの開始から
 この計画に携わらせていただき、
 A.M様と深く関わっていくようになる。
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 さて、出会いから約10年が経ち、
 A.M様の靴を作ることになった頃…。

 2009年 12月、
 これまでのソウギョバスターズの活動の軌跡を一冊の本にまとめ
 『大覚寺大沢池 景観修復プロジェクト
             ー古代と現代をむすぶ文化遺産』
 が出版されました。
 (活動について詳しく知りたい方はぜひ読んでみて下さい)

 そして2010年、
 なんとこの本が日本観光研究学会 学会賞観光著作賞
 を受賞することになりました。
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 それにしてもなんという縁だろう。
 A.M様が学会賞を授賞したタイミングで
 ちょうど私は先生の靴を作っており、
 それが先生と出会ったソウギョバスターズの活動で、
 なんと授賞式に私の作った靴を履いていただけるという…。
 感謝。人生はおもしろいものだ。

 汗まみれになった木々の調査や
 寒い中、泥にまみれたソウギョ捕獲作戦…
 靴職人を志してからも応援し続けていただいたこと…
 いろんなことを思い出しながら靴を作った。
 ソウギョバスターズも、もちろん靴作りも、
 これからも新しい記憶を刻み続けていく。
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 さて、今回のShoe Scapeは
 嵐山にある『中村屋珈琲店』。
 A.M様に連れていただいたのが最初でした。
 建築学生だった私が、靴職人を目指す相談に
 乗っていただいたのも、たしかこの場所だったと思う。
 マスターと昔話しに花が咲き、
 ここで撮影させていただくことになりました。
 A.M様の靴を撮影するには最適な場所だ。
 アンティークな内装が心地よく、時間を忘れてしまうような…
 いつふらりやって来ても、あの頃と時間が続いてるような…
 そんな空間です。
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 写真(下)は 切り絵作家 鎌田沙織さんによる
 中村屋珈琲店の外観を切り絵にした作品。
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 ちょっと暗いところばかりで撮影していたので
 明るいところでの写真を。
 つま先が空を映す。
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 人との出会いはおもしろい、私はいつもそう思う。
 そしていつも人に感謝する。
 私はただ、靴を作るという仕事をしているにすぎないが
 そこにはその人とのストーリーが存在する。
 人との出会いに感謝。
 そしてこれから始まるストーリーを楽しんでいきたい。

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