今回の特注品はラグビーバッグ(ポーチ)です。

昨年、ショルダータイプとハンドバッグのラグビーバッグを制作しましたが、

今年はポーチタイプをご依頼いただきました。

昨年のラグビーバッグは個人的にすごくやりがいを感じた制作だったので

新型モデルの依頼にも気合いが入りました。

今回お預かりしたのは

前回のセプターのモデル1000より少し小さいラグビーボールです。

ラグビーボールとして実際に使われていた本革製です。

セプター1000は昔ながらのラグビーボールらしい

しっかりした革ですが、

今回のラグビーボールは革の風合いも柔らかく、

ポーチタイプには最適です。

このラグビーボールは中央のからげ紐が革ひもでなかったので、

持ち手などと同じ革で新調しました。

持ち手の長さもちょうど拳が収まるくらいに

バランスをとって設計しています。

革の色とファスナー生地はボールより色調をすこし落として

シックに仕上げています。

こちらのお客様からいただく依頼はいつも面白いので、

作り手として毎回楽しんで制作しています。

もうすっかりラグビーボールの加工にも慣れました(笑)

このラグビーシリーズはボールによって使われていた状態が異なるので

それぞれのボールが持つ魅力も変わってきます。

できあがったラグビーバッグは決して同じものにはならず

独自のオーラを放ってくれるところにやりがいを感じています。

三種類のラグビーバッグ、コロナが落ち着いたら、

お出かけで活躍してくれるのを楽しみにしています。

今回の特注品は「扇入れ」です。

狂言師の茂山忠三郎様からご依頼いただきました。

三本の扇を収納できるケースを制作したいということでした。

以前、二本の扇を入れる扇箱を制作したことがあったので、

それを元に、アイディアを出し合い

デザインに落とし込んでいきました。

形は箱型で、

開くと上面が卓上に平に接地する形態にしました。

手前の収納部から取り出した扇を

奥側のスペースに一度置いてから使うことで

美しい所作になるのではないかという試みです。

箱は両端に配置されたマグネットにより開閉されます。

こちらも卓上で開く際にスムーズに、

美しい所作になるよう考慮しました。

この制作は特に設計が重要になります。

見た目はシンプルな形ですが、

収納部と蓋部分の関係性や

扇を固定する間仕切りなど、

設計がすべてといっても過言ではない制作です。

作り方の手順と設計を何度も繰り返し考え、

試作を重ねて出来上がりました。

納品で喜んでいただけてひと安心です☆

写真に足袋の姿はありませんが、

三本の扇の上に足袋を収納してセットで持ち歩くそうです。

舞台にお稽古に、様々な場所で活躍してくれるとうれしいです。

コバについて書こうと思います。

コバっていうのは革の断面であったり、淵の箇所です。

革製品にとってはとても大切な箇所で、

このコバをしっかり仕上げることで

見た目にも、強度にも大きな影響があります。

うちの工房では基本的にはコバは磨き上げて仕上げます。

塗料を盛って仕上げたコバは剥がれてくるので

うちでは使っていません。

磨きで仕上げたコバはメンテナンス等で

何度も磨くことでより強度を増し、美しさを保ちます。

ただ、製品の用途によっては薄く仕上げ剤を塗ることがあります。

これまで使っていた仕上げ剤の会社が

数年前に廃業してしまったので別の仕上げ剤を探すことになりました。

いくつか別のものを試してみたのですが

これまでの仕上げ剤より使い勝手も仕上がりもいまいちでした。

そういえば同じ仕上げ剤を使っていた先輩は

いま何使ってるんやろうとふと思って

相談したところある会社を紹介してくれました。

その会社の製品で用途が近い仕上げ剤をいくつか試してみて、

調合したところ、ちょうどいい具合の仕上がりをだせました。

こういういい仕上げ剤を作っている会社に

巡り会えたことはうれしいですね。

今回のように廃業してなくなってしまう材料もあります。

使い慣れた信頼できる材料を使えなくなるのは本当に辛いし

別のものを見つけるまで大変です。

仕上げ剤ひとつにしても、工具にしても

僕が職人を始めた頃とくらべてずいぶんなくなりました。

良いものを作っているところが末永く続いてほしい。

良い材料、良い工具があることで

作り手も技術を生かせると僕は思います。

珍しい修理がありましたので載せておきますね。

某ブランドの靴のサイズが自分の足には大きいため、

修理でなんとか調整できないかというご相談でした。

足入れを見てみたところ、

甲部分が全く止まっていないこと、

踵が大きすぎることが問題でした。

まずは甲部分を止めてやらないといけない。

採寸して甲バンドを制作し、橋渡ししてあげることで

甲部分のフィット感を改善しました。

当工房の靴ではないため同じ革がないので、

近い色の革で甲バンドを制作しました。

踵は靴のトップラインにスポンジをいれてやることで

踵が止まるようにし、フィット感を改善しました。

既製品の靴を調整するわけなので、できることに限りはありますが、

これまでの足入れからは改善できたと思います。

 

今回の特注品はカードと名刺を共に入れられるケースのご依頼でした。

名刺はカードよりも若干サイズが大きいため、

カードケースには名刺が入らないんですよね。

そこで名刺が入るサイズを基準に設計していきました。

革はイタリア製のもので、

オイルを染み込ませた表面にコテ当てされた仕様です。

曲げるとオイルが移動して濃淡が変わるため、

艶がありながらも風合いを感じさせてくれます。

折り畳んだお札を入れるスペースが欲しいということでしたので

上面にポケットを配置し、ネームを刻印しました。

名刺を持ち歩くのが少量でいい場合は

このスペースに名刺を入れておくのもいいかと思います。

お客様の雰囲気に合わせて

ポケットの形も柔らかいラインにし、

金具止めには品のあるゴールドを選んでいます。

オーダーメイドの面白いところは

使う人によって同じアイテムでも仕様が変わってくること。

シンプルに見えるものでも実は結構考えているものです(笑)

使う人に応じて

その都度デザインして設計していくことは

やりがいのある仕事であり、

大学時代に建築を学んでいたことが生きているなぁと感じています。


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