今回の特注品はオーダーメイドの靴です。

左右の差が大きいとても特徴的な足でしたので、

木型の制作には苦労しました。

工房を開いて十年目にして

またひとついい勉強をさせていただいた一足です。

革はオレンジがかった茶色のイタリアンカーフ。

元々はもう少し薄い色でマットな風合いなのですが、

磨くと艶が引き立ちます。

イタリアらしい色気のある風合いが出るいい革だと思います。

イタリア人騎手、デムーロさんにも似合うのでは?と

ひそかに思いました(笑)

デザインはタッセルと呼ばれる飾りが印象的な

タッセルスリッポンです。

小さめのタッセルにして華奢な印象に仕上げています。

小さいサイズの靴でしたので

出し縫い(底を縫う作業)も細かい仕様で縫い上げました。

今回の撮影は今宮神社にて。

今宮さんはうちの氏神様でもあるので、

慣れ親しんだ場所でスムーズに撮影できました。

最後はあぶり餅屋さんを背景に。

撮影後はあぶり餅を食べずに

馴染みの喫茶店へ行きましたが(笑)

あぶり餅は好きなので、
また季節が良いときに行こうと思います。

以前紹介しました雨除けの爪革ですが、

女物の爪革に新サイズが増えました。

これまでの女物の爪革は

下駄の横幅8cmに対応していました。

ヽやさんの下駄の幅に合わせていたわけです。

最近爪革を求めて、

工房へ直接訪ねてくださるお客様も増えたので、

横幅9cm対応の爪革も作ることにしました。

8cmの爪革で幅8〜8.5cmの下駄に対応でき、

9cmの爪革で幅9〜9.5cmの下駄に対応できるかたちです。

さて、今日の午前中はチャンを作っていました。

何に使うかというと糸に擦り込んで糸を丈夫にするための防腐剤です。

靴の底付けでは必須のものですが、

うちの工房では他の革製品でも

手縫い糸にはこのチャンを擦り込んで制作するようにしています。

チャンの作り方はまず固形の松ヤニを煮ます。

松ヤニを煮ると独特な臭いがするので

僕は外でチャン作りしています。

通行人が何してるんやろって表情で歩いていきます(笑)

油と蜜蝋を加えてちょうどいい固さになったら

水の中に入れて急冷します。

あとはチャンをよく練ったらできあがり。

気温が変わるとチャンの固さも変わってしまうので、

季節に応じてチャンを作っています。

この固形の松ヤニ、多賀さんから大量に受け継いだので

僕が引退するまで松ヤニには困りそうにないです(笑)

今回紹介する制作はラグビーバッグです。

ラグビーボールを鞄に仕立て直してほしい。

そう依頼を受けたのはちょうど祇園祭が始まる前の

6月末くらいだったと思います。

ラグビーワールドカップの開催で

高校時代に使っていたラグビーボールを思い出して探したそうです。

大事にとってあったそのラグビーボールふたつを

ハンドバッグとショルダーバッグに仕立て直すことになりました。

ひとつはあまり使っていない状態の良いボール、

もうひとつはよく使われたくたびれたボールでした。

高校時代の思い出が詰まったラグビーボールを

この日本でのラグビーワールドカップを機会に

鞄に仕立て直すという内容にとてもやりがいを感じました。

出来上がったのはワールドカップ終了後になりましたけどね(笑)

預かったラグビーボールを仕立て直すのに失敗は許されません。

イメージを実現していくために

最善の方法と作業を

何度も頭の中でシミュレーションしました。

もちろん、開いてみないとわからないこともあるので

想定していたものから、修正作業を繰り返して形にしていきました。

お医者さんがオペの際にいく通りもの方法を

何度もシミュレーションするというのを聞いたことがありますが、

今回の作業はその気持ちが少しだけ分かる気がしました。

ファスナーはスライダーふたつの頭合わせ。

スライダーの引き手には同色の革を使いアクセントに、

名前も刻印しています。

今回の制作はボールを磨くところから始まりました。

とても古いボールだったので、

革の状態を整えてから作業に入る必要がありました。

昔のラグビーボールは革がとてもいいですね。

同じモデルの今のボールとは革の質感が全然違います。

表面に透明感と艶があるので、

磨くとそれぞれのいい風合いが引き出せたと思います。

おもしろいもので、

形にすると古いボールの感じがしませんね。

アンティーク感こそありますが、

もちろん内側も新しい生地で仕上げているからか、

もともと新品のこういう鞄だったようにも感じられます。

紅葉も色づいてきたので、

ラグビーバックを持ってさっそくお出かけしていただけたら

作り手としてなによりうれしいです。

今回紹介する制作は革足袋です。

とても特殊な足袋です。

狂言に「釣狐」という演目がありまして、

そのときは通常の狂言足袋ではなく

この狐色をした革足袋を使います。

約五十年間使っていた革足袋が老朽化し、新調したいけれども、

以前作ってもらった職人はもういないので、

当工房で再現してくれないかということでした。

もちろんこれまで革足袋なんて作ったこともない。

難しい仕事ですが、

やりがいのある内容に気合いが入ったのを思い出します。

昔の革足袋を実際に見せていただいて、

作り方を研究しました。

これが実にしっかりとした作りで、

50年前の仕事に感動したのを覚えています。

自分も次の50年に繋いでいける仕事をしないといけないなぁと思いました。

実は昨年に最初の釣狐用の革足袋を制作していて、

今回掲載しているのは2足目の革足袋です。

1足目のときには分からなかったこと、

改善するべきところを踏まえ、制作に取り組みました。

素材はキョンと呼ばれる鹿の革を使っています。

非常に柔らかくきめが細かいのが特徴です。

鹿革は水に濡れても硬化しないので、革足袋には最適の素材ですね。

そんな鹿革を燻すことで狐の色を出しています。

1足目のときはこの燻し加工が分からず、

染めで狐色を出そうとしました。

昔の革足袋では染めではなく、

燻しで狐色を出していたのではないかという革屋さんのアドバイスにより、

釣狐の革足袋における、正式な狐色を再現することができました。

コハゼの止め紐も狐色に合わせて染めています。

一見するとただの革足袋ですが、

細かいところにいろいろな仕事をちりばめています。

長く、役者の足元を支える道具となるように。

そしてまた50年後、

別の職人が次の革足袋を制作する際、

この革足袋を見て何かを感じてもらえる仕事となりますように。

爪革を求めて、大阪からご来店いただきました。

爪革は雨の日に下駄の先につける

「雨除け」です。

エナメル革を使ったものかビニールのものが多いですが、

うちの工房には防水加工された革があるので

革の自然な風合いを生かしたままの爪革を制作できます。

和装をする機会が少なくなった今では

雨の日に日和下駄を履く姿も、爪革も、

あまり見かけることがないですね。

日本の履物文化を残していく意味でも

こうして爪革の制作に携われることを

大切にしていきたいと思います。


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